東京銀器(東京都)
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制作コメント
カップのような真っ直ぐのモノを制作するにあたっては、傾斜がかからないように慎重に進める必要があります。また鍛金(金槌で叩いて形状を変える)の工程において、逆絞り(底が自分の方に向いている)技法を用いながら、一つ一つ丹念に叩かせて頂きました。一枚の銀板を金槌で叩いて叩いて鍛え上げた銀製品は美しく、手入れよく使い込むほどに美しさが増して行くると言われております。金のような派手なきらびやかさはないですが、銀の深い味わいを知っていただければと思います。
東京銀器の歴史
江戸時代中期に、彫金師の彫刻する器物の生地の作り手として、銀師(しろがねし)と呼ばれる銀器職人や、櫛、かんざし、神興(みこし)金具等を作る金工師と呼ばれる飾り職人が登場したことが「東京銀器」の始まりでした。江戸でこれらの金工師が育った背景には、貨幣を作る金座・銀座の存在、また各大名が集まる政治経済、文化の中心であったことが挙げられます。
東京銀器の技法
槌目(つちめ)
金槌で打った凹凸にキラキラと光が反射する槌目の模様
岩石(がんせき)
岩の表面ゴツゴツした様子を模した文様
金古美(きんふるび)
銀を黒ずませる技法により、古色を帯びたように仕上げるもの
鏨(たがね)
鋳金や鍛金でできた器の表面にタガネで文様をほどこす加飾の技法